アートで企業に変革を① 金属造形家×川田工業が鉄と植物でコラボレーション

2019.09.03

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ブログをご覧の皆様こんにちは!
9月に入り、季節はいよいよ夏から秋へ。

さて、秋といえば川田工業では早くも「芸術の秋」が真っ盛りなんです!
8月1日から新宿区で開催中の『新宿クリエイターズ・フェスタ2019』というアートイベントで、金属造形家の日比淳史さんが造る鉄の作品に植栽協力でコラボレーションすることになりました。

「1ヶ月の展示期間で植物が枯れたらどうしよう」と困っていたアーティストの声を聞いて、弊社の屋上緑化システム「みどりちゃん」が役立つのではないかと思い、お手伝いさせて頂くことになりました!

そこで今回のブログでは、アーティストのプロフィールや制作の一部を垣間見ながら、
アートで企業に変革を起こすための取り組みについて考えていきます。


【目次】
 ●ゆっくりと朽ちていく鉄のアート
 ●金属造形と植物を繋ぐ屋上緑化システムの活用
 ●「日比淳史展 -時の塔-」の展示概要
 ●アートの力で企業に❝変革❞は起こせるか?

ゆっくりと朽ちていく鉄のアート

金属造形家/日比 淳史さんのプロフィール

金属造形家/日比 淳史さん

日比さんは金属造形家として作品を展示発表する傍ら、モニュメント/屋内外作品のコミッションワーク、店舗/空間デザイン、テレビ/映画にオブジェ参加するなど多岐にわたり活動しているアーティストです。
東京藝術大学で鍛金を修了後、主に金属(特に鉄の朽ちる姿)のオブジェ作品を制作されています。

●日比淳史さんのウェブサイト
http://www.atcave.jp/

錆びて、やがて土に帰る「鉄」

撮影 / 伊藤 哲彦

地球内部にもっとも多く存在すると言われている「鉄」。
「文明社会では欠かせない存在でもあり、地上で働きやがて土に帰る。人間のようでもあり、その様に親近感を覚え、素材の多くに「鉄」を使っています。」と、日比さんは語っています。
「作品として表現し、空間を創る。そして土に帰っていく時間をゆっくり見つめたい」、そんな気持ちで取り組んでいるのだそうです。

植物と共存する鉄に、ビルと緑化の関係性を重ねて

撮影 / 日比 淳史(左)、伊藤 哲彦(右)

日比さんの鉄の作品には、花器的要素を持つものが多いのも特徴です。朽ちゆく鉄と、生きている植物の共存をテーマにしているそうで、無機物と有機物との関係性が対比されています。

川田工業は鉄の橋をつくっていますが、谷や川といった自然とそこに架かる橋、あるいは無機質なビルと屋上緑化との関係性を重ねてみると、日比さんの作品から深い共感を感じる事ができます。

そこで今回、弊社でお声がけして日比さんの展示作品に使用する植栽を提供する事でコラボレーションが実現したのです。

2015年「ネオ・カウンター・シェイプ・GO」表参道スパイラルガーデンの展示風景(撮影 / 日比 淳史)

金属造形と植物を繋ぐ屋上緑化システムの活用

アーティストの理想に合う植物の選定

フィカス・シャングリラ(つる性ガジュマル)

9月14日(土)~10月15日(火)の1ヶ月間、新宿区主催の新宿クリエイターズフェスタ2019の一環として開催される日比淳史展「時の塔」に植栽を提供します。

植栽の選定にあたり、日比さんからの要望は次の通りでした。
●会場と作品が全体的に暗い色なので、明るい色がいい
●なるべく花が咲かない種類
●小さな葉で土の表面を覆うようなフォルム
●1ヶ月間の展示で枯れないようにしたい

これらの条件で提案した中から採用されたのは「フィカス・シャングリラ」という名前の、つる性ガジュマルです。
ガジュマルは、クワ科イチジク属の観葉植物で暑さに強く、フィカスは「ゴムの木」、シャングリラには「理想郷」や「桃源郷」という意味があります。そこまで明るい色ではないですが、鮮やかな緑で光沢があり採用となりました。

屋上緑化システム「みどりちゃん」の技術を活用

1ヶ月の展示で植栽が枯れることのない様に、弊社の屋上緑化システム「みどりちゃん」の技術を簡易的に活用しています。

水を溜める金属容器(写真右)に植栽を入れ、作品の溝部分(写真左)にセットします。その際、水と土壌を分離して根腐れすることのない様に仕上げていきます。

「日比淳史展 -時の塔-」の展示概要

テーマは3つの塔と草の道筋で表す「時間」の概念

日比さんのInstagramより: @hibikiyosi

朽ちていく鉄と、生きている植物「草の道」とで、時間の概念を表現するという日比さんの個展は、9月14日(土)~10月15日(火)の期間、西新宿の住友不動産新宿グランドタワー1階のエントランスで開催されます。
ぜひ足を運んでみて下さい。

【展示概要】
展示名:「日比淳史展 -時の塔-」
期 間:2019年9月14日(土)~10月15日(火)
会 場:住友不動産新宿グランドタワー 1F
    〒160-6190 東京都新宿区西新宿8丁目17-1
最寄り:
丸ノ内線「西新宿駅」出口1より徒歩3分
都営大江戸線「都庁前駅」出口E5より徒歩6分
JR線・京王線・小田急線「新宿駅」出口A18より徒歩9分

主催:新宿クリエイターズ・フェスタ実行委員会、新宿区
後援:東京都
お問い合わせ:新宿クリエイターズ・フェスタ実行委員会事務局
       03-5273-4069
オフィシャルサイト : http://www.scf-web.net/
日比さんの特設ページはこちら

アートの力で企業に❝変革❞は起こせるか?

オープンイノベーションこそ変革への一歩

「変革」とは、物事を変えて新しいものにすることです。では、アートで企業を変革させるためには、何が必要なのでしょうか?

その一つのかたちが「オープンイノベーション」です。オープンイノベーションとは、社外から新しい技術やアイデア、ノウハウなどを取り入れ、革新的なビジネスモデル、研究成果、新製品を開発するイノベーションです。アートとのコラボレーションは、企業がアートの力を活用して創造性を引き出すヒントになると考えます。

さらに、今回の企画は、川田工業のものづくりの根本ともいえる「鉄」をメインにしたアート作品でもあり、弊社の特性を言語によらない表現として発信できることでしょう。

おわりに

コミュニティーセンター 進修館にて撮影(撮影協力 / 有限会社クラウン・ビー)

事業企画部の三宅です。
この度、日比淳史さんの金属アートと弊社の緑化を組み合わせるコラボレーションを企画させて頂きました。
きっかけは、私自身も新宿クリエイターズ・フェスタ2019の参加アーティストの一人であり、緑化の仕事をしている縁もあって、日比さんより植栽の相談を受けたことが発端です。

2022年に創業100年を迎える川田グループが、創始者の刀鍛冶が「鉄」をつくることから始まる「ものづくり」への芯を持ちつつ変革し続けるために、アートとのコラボレーションから新しいアイデアが生まれることを期待しています。

(AUTHOR / 三宅)

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